ビジコンの佐藤ちゃんが、メールをくれました。
有)がんばれ社長のメルマガからですが、
なんか僕とダブったそうです。
まだまだ、顔晴りま~~す。
では、今日は、んん、
今日
もかもしれません。(笑)
手抜きです。すみません。
『なまけ者バイヤーの人生』
●「美味しんぼ」の主人公・山岡士郎は、勤務中に居眠りしたり、競
馬新聞を読みふけったりとグータラ社員そのもの。
ところが、ひとたび料理対決となると会社を代表してライバルと戦い、
見事勝利してくれる頼もしいヤツ。その二面性がかっこいい。
●その山岡士郎をほうふつとさせるのが関西の大手百貨店バイヤー、
山本多美雄(仮名、30才)である。
人事異動で赤ちゃん用品部門から婦人服部門に異動となったばかりの
山本は、朝早くから夜遅くまで、寝食を惜しんで働く同僚たちのよう
にハードワークするのが苦手。
いつも、自分が少しでも楽できる方法を考えるのが大好きなのだ。
●婦人服部門には山本以外にもたくさんのバイヤーがいる。それぞれ
が担当部門をもち、成績を競い合っているわけだ。
山本は、なまけ者とは言っても結果に無頓着なわけではない。むしろ
誰ひとり、自分より優れた者が近くにいることを許さないタイプでも
ある。
●同僚たちが始発の新幹線で東京へ出張し、メーカー訪問して仕入れ
アイテムやカラー、サイズごとの発注数量を決めてくる。
一泊二日の東京往復は大阪の本部にいるときよりも激務で、食事もま
まならない。
●だが、楽して結果を出したい山本は、重役出勤のように正午の新幹
線で東京へ向かう。
そしてホテルに到着してからもメーカーには出向かない。
あらかじめメーカーの担当者に頼んでおいた「発注原案書」をホテル
のFAXで受け取ってそれに目を通すだけ。
自分であれこれ考えても分からないから、何をいくつ発注すべきかを
メーカーに委ねる。事前に予算金額だけを伝えておけば良いので、悩
まなくて済む。
●だから山本は東京で仕事をしたことはなく、遊ぶだけだ。
隔月の東京出張だけで都内の観光名所はほぼ回り終わった。それだけ
でなく、映画館や競馬場、歓楽街にも出入りし、彼のボトルはあちこ
ちにある。独身の山本は東京に彼女まで作り、後日結婚もしている。
●相手まかせの発注が終わり、メーカーから商品が届き、店頭で発売
が始まる。
あるブラウスは白が売れまくり完売したが赤色は大量に売れ残ってい
る。だから山本はメーカーに電話する。
「あのお、白色のほうは見事に完売できてありがたいのですが、赤色
がたくさん残っていて困っています」
するとメーカー担当者は、自分の責任感から不良在庫を売れ筋商品に
交換してくれたり、在庫品の値引き処分を申し出てくれたりする。
●そしてシーズンが終わる。
同僚たちの成果は、売上高2~3億、粗利益率20%であるのに対し、山本
は、売上高7億、粗利益率35%という驚異の数字を移籍初年度の第一四
半期で弾き出す。売上げ、利益とも先輩たちを二倍以上しのぐ成果だ。
山本は入社以来、体を使うのではなく智慧だけを使ってきた。
●私が「業績を上げる上で苦労することはどんなことですか?」と尋
ねると、山本は平気な顔でこううそぶく。
「昼の新幹線に乗る時、駅で同僚に出会わないようにすることです」
●そして数年後、山本は人事部長から呼び出しを受けた。
「当社も北米に進出することにした。あなたを北米支社長に任命した
いが受けてくれるか」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、
「暴れてみせましょう」とその場で快諾した山本は同社の北米事業を
成功させた。
●それから更に30年たった。
今、山本は70才近くになっている。
50才代で百貨店を退職した山本はサンフランシスコに米・中・日をむ
すぶ貿易会社「山本エンタープライゼズ」を作った。
上場企業の北米・中国進出をコンサルテーションし、貿易実務に関す
るマネジメントを引き受ける会社だ。
この事業が大ヒットした。
今では、上海・大阪・サンフランシスコに住居があり、それぞれに数
人のメイドがいる。月に数回は奥様に会いに逗子市の別荘を訪れると
いう山本。
●本業の収益を不動産と株式投資に回し、わずかこの10年間で数十億
円の個人資産を作った山本。
昨年、名古屋のシガーバーで彼に会い、ご自身の人生を振り返って何
が良かったのか聞いてみた。
山本は語る。
「ずっとなまけ者だったことです。学生時代も家で勉強するのが嫌だ
からテストのヤマ張りは名人級だった。社会人になっても仕事するの
が嫌だったから、周囲の人を利用させてもらうことばかり考えてきた。
社長になっても仕事が好きでないから社員や外部の皆さんの力にすが
ってきた。
松下電器の松下さんは自分の病気が理由で人使いがうまくなったそう
だが、私の場合はさしずめ、なまけ者だから人の力にお願いするしか
ない。だから、私は自分より才能がある人の前に出ると、今でも心か
ら尊敬してしまう」
●山本がトイレに立ったとき、隣席の山本の部下に社長の印象を聞い
てみた。すると、
「うちの山本はとにかくマメです。電話マメ、メールマメ、手紙マメ、
ハガキマメ。一日中だれかと連絡をとりあっています。時々静かにな
るときは、本を読み出したときと居眠りしだしたときぐらい。
あっ、あと、約束ごとにはうるさいです。待ち合わせの時間を守ると
か、ちょっとした口約束を忘れないとか。筋を通さない人とか、出処
進退が美しくない人も山本は敬遠しますね」
●なるほど、単なるなまけ者では成功しないようだ。
参照HP
Shigeki HAMAGUCHI