【エンツォ・フェラーリのデザイン】
フェラーリ社における決断のプロセスは
非常に明快で、モンテゼーモロ社長が
全てを決裁する仕組みになっています。
エンツォという車ですが、10年に一度の限定生産の
プロジェクトですから、デザインが決定されるのに
長い時間がかかり、
なかなか決まらずにいました。
おそらく最後のプレゼン、それで決まらなかったら
他社へ仕事が取られる。
そんな状況のとき、私に「15分でデザインを描け。
今までと全く違うものを出せ」と
会社からの指示がありました。
そのときに、描いたデザイン画が、モンテゼーモロ氏に
認められ、試作車を作ることになったわけです。
このとき描いたデザイン画は
A4サイズより少し小さい程度のものでした。
15分で急ぎ3枚程度を描き上げました。
15分で描いたわけですが、
私にこれが出来たのは、
1年間にわたる何万枚というデザイン画の積み上げが
あったからに他なりません。
「何万枚描いてもそこから1枚が選ばれる」と
いうのがプロの世界です。
こうした地道な努力が需要なのです。
名古屋芸大グループ通信より